株式会社福山管機工業 成長の軌跡と次世代への挑戦
代表取締役 北 幸一郎
Release: 2024.09.17
Update : 2024.09.18
株式会社福山管機工業
福山市西深津町1丁目12番4号
TEL 0849225690
https://www.fukuyamakanki.co.jp/
【福山管機工業】弊社は給排水衛生設備工事・空調設備工事をはじめとする管工事の設計施工を行っています。管工事依頼・水廻りのトラブルなどお気軽にご連絡ください。
株式会社福山管機工業の歴史と事業紹介
Q:歴史について教えてください。
A:私たちの会社は、祖父が始めた自営の土木業「北組」からスタートしました。最初は地元での小規模な工事が主な業務でしたが、時代と共に事業が拡大し、今では多くの方々に支えられ、少しずつ信頼を築きながら企業として成長してきました。
Q:事業内容について紹介ください。
A:仕事の内容は、給排水・空調などの建築設備工事や消防設備といった生活・企業活動インフラに関わる仕事から、地域を守る浄水場設備などのメンテナンス・機械設置工事といった重要な仕事も手がけさせていただいています。
最近では、従業員も増え、業務の幅が広がる中で、さまざまな方から評価をいただけるようになりました。ただ、成長の裏には多くの課題があったことも事実です。特に職人不足や高齢化といった問題は、業界全体に広がる大きな課題です。私たちの会社も例外ではなく、これに対してどう対応するかが大きな焦点となってきました。現場を支えるベテランの職人たちは、私たちの宝であり、その技術力は代えがたいものです。しかし、時間の流れと共に、これらの熟練した職人たちが次々と引退していくことが予想される中で、彼らの持つ知識や技術をどうやって次世代に引き継ぐかが大きな課題となっています。
働くきっかけ
Q:事業を継いだきっかけは?
A:私が地元に戻ることを決断した最大の理由は、やはり家族の存在でした。もともと私は東京でビジネスキャリアを積み、都会の激しい競争の中で成功を目指して日々奮闘していました。当時勤めていた企業は、入社当時は、銀座のいわゆる不動産ベンチャー企業で、20名くらいの会社でしたが、最終的には、東証1部上場企業となるなど、右肩上がりの成長を続け、私もその波に乗り、目まぐるしいビジネスの世界でキャリアを積み重ねていました。
しかし、そうした日々の中で、父親もまた私に地元に戻ってほしいという気持ちを抱いていました。地元で企業を経営していた父は、何度も東京まで足を運び、私に会社を継いでほしいと話をしに来たことがあります。
当時、私は部下が50名もいる役職者でもありましたし、東京でのキャリアを優先し、自分の決断に迷いながらも地元に戻ることを先延ばしにしていました。しかし、父親の話を聞くたびに、家族の絆や親孝行という思いが心の中で少しずつ大きくなっていったのです。東京での成功は確かに魅力的でしたが、家族との時間や、父親からの期待に応えることもまた大切なことだと思うようになったのです。
東京での仕事が持つ激しいプレッシャーとは異なり、地元では家族と過ごす時間が増え、心にゆとりを持つことができました。父親から引き継いだ仕事に対する責任感も芽生え、経営者としての視野が広がり、よりバランスの取れた生活が実現できるものと思いました。
しかしながら、家業と言えど全く未経験の業界です。また従業員は、私よりも年齢が上の職人ばかりです。過去の栄光はぬぐい捨て、ベテラン職人と毎日現場を回り、資格取得においても、必要なものは全て取得する。最初のうちは従業員の皆に認めてもらえるよう必死だった記憶があります。その経験がなければ、経営者とはなれていなかった、別の言い方をすれば認めてくれなかったと思っております。
仕事へのやりがい
Q:「福山管機工業」でのお仕事のやりがいは何ですか?
A:職人の仕事は、豊富な経験を通じて高度な技術を身につける、やりがいのある職業です。私たちは、若手の職人を早期から採用し、彼らに経験を積ませることが重要だと考えます。 そして、若い世代に対して、職人の仕事に対する理解を深めてもらうための取り組みを進めています。若い人材がこの業界に興味を持つような環境づくりや、仕事のやりがいを伝えるための活動も行っています。特に取り扱う「水」というインフラは絶対に欠かせないものであり、そこに携わることで誇り高い仕事という考え方を持ってもらい、技術と心の成長を積み重ねていきたいと思っています。
会社の独自性
Q:社業の独自性はどんなところですか?
A:仕事において常に考えているのは、「どう差別化を図るか」という課題です。一般的な水道設備にとどまらず、浄水場やプラントなどの特殊配管工事などを取り扱っていることは、強みではありますが、目の前の地域のお客様という視点からすると、技術の優劣が「目には見えにくい」「一般の方からはわかりにくい」業界であるため、技術力だけでなく、クライアントへの丁寧な説明・報告などを基本とする信頼関係が何よりも重要だと考えております。お客様とのつながりを大切にし、細やかな対応を心がけることが、私たちの強みであり、また会社の魅力づくりだと考えております。
フィロソフィー(経営哲学)
Q:経営哲学についてお聞かせください
A:経営を続ける中で、フィロソフィー(経営哲学)の重要性を強く感じています。特に、京セラ創業者である稲盛和夫先生からは多くの学びをいただきました。前職の代表者が、盛和塾東京の熱心な塾生であったことで、ビデオ例会などで、一緒に勉強させてもらっていたことや、実際に会社で実践し、成長させていった軌跡をみてきたもので、大変強い影響を受けています。
稲盛先生は「経営は哲学である」という考え方を提唱し、経営においては単なる数字や戦略だけでなく、人としての在り方や道徳、そしてリーダーシップが重要であると説いています。この理念は、私の経営にも大きな影響を与えており、理論だけではなく、日々の実践にどう落とし込むかが経営者としての鍵だと考えています。
私は、それらの知識や経験を日々の仕事や従業員との接し方に反映させるよう努めています。稲盛さんの「利他」や「心を高め、経営を伸ばす」といった考え方は、特に私が大切にしている哲学です。
こうして得た知識や哲学が、日々の業務に深く根付いており、社員たちとの接し方や会社全体の方針にも影響を与えています。経営者としてだけでなく、人としての成長を意識し、自己を磨き続けることで、会社全体がより良い方向へ進んでいけると感じています。
福山YEGについて
Q:福山YEG入会のきっかけは?
A:私は、14年間東京で勤務し、福山市へUターンしてきました。そのためビジネス活動における人脈がほとんどなかったため、YEG入会は、他からのお誘いということではなく、自ら進んで入会した経緯があります。最初は人脈形成やビジネス交流の場だけだと思って参加しましたが、そこでの経験は予想を超えるものでした。YEGは、経営者としての成長だけでなく、人としての幅を広げてくれる場だと思います。
Q:YEGで得たことは?
A:YEGは、「自社業の成長・発展を軸に地域社会に貢献する」ことをテーマとしています。私も様々な事業やプロジェクトに参加し、多くの学びを得ました。またそこで同じ時間を共にすることで、生涯にわたって関係を続けられるだろう仲間との出会いもありました。これは大変な財産です。
Q:YEGでの経験について
A:入会当初から積極的に事業には参加し、多くの先輩方から可愛がってもらいました。地域や業界を超えた人たちとの交流を通じて、他の経営者がどのようにビジネスを展開し、どのような課題に取り組んでいるのかを学ぶこともできました。
これにより、私自身の経営方針や考え方が、より柔軟で多角的なものへと成長していっていると思っています。 特に印象に残っているのは、ジュニアエコノミーカレッジです。入会3年目で未来創造委員会の幹事となり、4年目は委員長。そして5年目は、福山で初の全国的なカンファレンスとなるジュニエコサミットの実行委員長もさせていただきました。毎週多くの方々と接点を持ち、数多くの議論を繰り返して参りました。経営者としてのリーダーシップとは何か、どうやって組織を導いていくかを深く学ぶこともできたと感じます。
福山YEG「つながり」の力
Q:YEGの活動で大切にしていることは?
A:YEGでの学びの中で、特に大切にしたいのは「つながり」の力です。ただ「仕事をお願いした」「仕事をいただいた」という関係性だけではない、経営者同士の誠のつながりが、困難な状況でも支えになり、新たなビジネスチャンスを生み出すこともあります。私はYEGで築いた人脈を、ただのビジネスのためだけではなく、人生の財産として大切にしています。今後もこのネットワークを活用し、地域社会や業界全体の発展に寄与していきたいと思います。 私は今年、会長という役割を担っていますが、この記事を見られた方でまだ入会されていない方は、ぜひ商工会議所青年部に入会してみてください。いつでもお待ちしています。
個人について
Q:プライベートの過ごし方は?
A:仕事やYEG活動で忙しい毎日ですが、できる限り趣味や家族との時間は大切にしています。それが、私にとって最高のリフレッシュ方法なんです。空いた週末は、家族で出来る限り出かけたりしたいです。アウトドアやキャンプにはまったのもそれが理由です。結構な種類の装備品を持っていますよ。最近は子どもが大きくなったので、一緒に出かけてくれる機会が減りましたが、そんな時は、家でネットフリックをひたすら見ています。恋愛系以外の韓国ドラマはほとんど見ました。また、あまりイメージが無い人もいるかもしれませんが、PS5の家庭用ゲームもやります。モンハンは熟練者だと思ってますし、FF系やいわゆる死にゲーと言われるもので有名なものは、ほとんどやっています。良くそんな時間あるねと言われますが、簡単なことです。寝る時間が短いんです。
音楽は、昔から日本のヒップホップが好きで、特にGADOROの音楽には心を打たれます。彼のリリックには人間味が溢れていて、どんなに疲れていてもその曲を聴くと、また頑張ろうと思えるんですよね。ゴルフ場へ行くときや、一人で長いドライブをするときは、ほぼJ-HIPHOPをかけています。
それから、飲みに行くのも大好きで、みんなとワイワイすることや、カラオケを歌ったりすることも大好きです。ただし、普段聞いている好きな曲は、ほとんどカラオケに入っていないか、難しすぎて歌えないのが、難点です。 家族と過ごす時間も、私にとって欠かせないものです。最近では、息子と一緒のアニメやマンガを見ることもあり、チェーンソーマンや呪術廻戦・ゾン100など、息子のお気に入りの作品を一緒に見ているうちに、いつの間にか私もハマってしまいました。こういう家族とのふれあいの時間が、日常のストレスを忘れさせてくれる最高の癒しです。こうやってみると、少しオタク気質のある人間なのかもですね。
自分を一言で表すと
自分のことを一言で表すなら、「八方美人」がふさわしいかもしれません。あれこれ気を使い、皆にいい顔をするといった悪い意味でもっぱら使われる言葉ですが、私としては、誰に対しても誠実でありたいという強い想いがあります。YEGでの仲間や、家族、従業員に対しても、常に相手の立場や気持ちを考えながら、最善の選択をするよう心がけてきました。
「八方美人」とは、単に他者に迎合することではなく、多くの人と信頼関係を築く力だと私は考えています。近江商人の「三方よし」という言葉がありますが、言うならば、「八方に対して心の美しい人でありたい」というところでしょうか。
若干ミーハーで、目立つことに遠慮な無いという性格も加味してそのように言っておきます。
誰とでも良好な関係を築けることが、私の強み。そして、その強みを活かしてこれからも多くの人と共に、新たなステージへ進んでいきます。