伝統の継承、文化の革新~17代目の挑戦~虎屋                     株式会社 虎屋本舗 代表取締役社長 高田海道

代表取締役社長 高田 海道

Release: 2023.12.02

Update : 2023.12.02

株式会社 虎屋本舗

〒721-0952 広島県福山市曙町1-11-18

TEL 084-954-7447

https://www.tora-ya.co.jp/

虎屋本舗は瀬戸内海に面した広島県福山市で創業400年を迎える和菓子屋です。 「郷土に愛され、郷土の自然と風物を大切にする菓子屋で在りたい。子供達と一緒に新たな文化をこしらえる。」 そんなお菓子づくりを日々積み重ね、未来に繋げていきたいと考えております。

事業紹介・会社の歴史

Q:高田海道さん、まず自己紹介をお願いします。

A:株式会社虎屋本舗 代表取締役社長の高田海道と申します。

Q:会社の本社の所在地はどちらになりますか?

A:広島県福山市曙町が本社工場です。取材していただいている場所は、新店舗の虎屋本舗 神辺店です。

Q:現在の店舗数は何店舗ありますか?

A:9店舗。福山市に7店舗、府中市に1店舗、井原市に1店舗があります。

Q:会社の歴史や創業について教えてください。

A:1620年の福山城築城の際に、水野勝成公と共に福山市に移住。福山城築城の際の茶の湯の会で、とんど饅頭を献上し、佐義町というとんどという名前をいただいたのが始まりです。

Q:虎屋という名前の由来は?

A:もとは「タカタヤ」という屋号でしたが、1800年の中頃、虎屋という名前が全国的に流行し、屋号を「虎屋本舗」と改名しました。

Q:全国に虎屋という名前の店舗や会社があると聞きましたが?

A:はい、全国には虎屋という名前の旅館や菓子屋がありますが、繋がりは別になっています。

Q:業種と事業紹介を教えてください。

A:業種は食品製造販売、和洋菓子の製造販売です。コロナ禍で事業転換し、直営店だけでなく、全国の百貨店での販売も行っています。

Q:コロナ禍からの事業転換はどのように進められましたか?

A:コロナ前も外販の売上げはあったのですが、コロナをきっかけに大きく事業転換しました。外販の売上げが以前の10%、20%から現在は半分近くになっています。

Q:現在の事業展開の方針は?

A:和菓子、洋菓子の新商品に力を入れており、生物の新商品や箱物などの流れを重視しています。

Q:代表取締役になってからの事業展開の変化は?

A:父から引き継ぎ、全員の意見を取り入れながら売り先を広げたり、中身を変えています。

Q:何代目としての歴史は?

A:私で17代目です。お菓子業としてはずっとお菓子屋さんとして活動しています。福山では一番古いお菓子屋さんとなります。

新しく事業で注力していること

Q:現在の事業で特に力を入れていることは?

A:文化を商いものとすることをテーマにしています。特に、地域に根ざしたイベントや活動を展開しており、お菓子をその場の起点として活用しています。

Q:お菓子教室を出張で行っているとのことですが、そのきっかけは何ですか?

A:子どもたちに日本の伝統的なお菓子の文化を伝えたいと思ったからです。日本の伝統文化が薄れてきている中、お菓子を通じてその文化を伝える活動をやりたいと思っています。

Q:この活動は、高田海道さんが代表取締役になってから始めたものですか?

A:はい、自分で始めた事業です。もちろん、他の方とも相談しながらこの活動を進めています。

Q:新しい商品開発に関しての方針は?

A:デザインや新商品のアイデアはほぼ一人で決めて、それを職人さんに伝えて作ってもらうトップダウン型が多いです。お客さんに直接アンケートを取っても、具体的な希望が難しいので、自分たちで驚きのある商品を提案する方が良いと考えています。

Q:コラボ商品について教えてください。

A:コラボ商品は増えており、特にコーヒーやお抹茶とのコラボが多いです。セレクトショップでの取り扱いも増えています。

Q:店舗でのテーマや方針は?

A:この店舗(神辺店)は、お菓子とソフトクリームのカフェ、体験、そしてセレクトショップとしての機能も持っています。お客さんがもっと滞在して楽しめるような場所を目指しています。普段はお菓子を買うだけの場所としてしか来ない方にも、楽しんで滞在してもらえるような場所を提供したいと考えています。

Q:昔ながらのお菓子屋さんと新しい試みを両立しているということですが、その背景には何がありますか?

A:昔ながらのお菓子文化を守りつつ、新しい顧客のニーズにも応えたいという思いがあります。特にクリエイティブな商品の開発は、会社の危機を乗り越えるための取り組みとして始めました。

Q:たこ焼きや寿司の形をしたお菓子の発想の背景は?

A:日本のソウルフードをお菓子として表現するという発想から、そのような商品を開発しました。先代の取り組みとして、30種類以上の商品を作成しています。

Q:新しい商品の流行の変化についてどう思いますか?

A:新しい商品のライフサイクルが短くなってきていると感じています。一時的なヒット商品よりも、長く愛される商品を出すことが大切だと思っています。

Q:サンステという場所の変化について教えてください。

A:サンステは大きく変わり、多くの店舗が進出してきました。ただ、現代のビジネス環境では、店舗展開のビジネスモデルが難しくなってきていると感じています。

Q:福山の経済圏やエリアの変化についてどう感じていますか?

A:福山は北部と南部で経済圏が変わってきています。特にこちらのエリアは住宅の増加率が高いので、今後も継続してビジネスを行うことができると考えています。

A:それぞれの店舗には独自のカラーが必要で、新しい文化を生み出すのは確かに大変です。しかし、文化を生み出すための試み、例えば和菓子作りの体験学習を学校で行ったり、地域の子どもたちが触れるイベントを増やすことで、新しいカルチャーを育んでいきたいと考えています。

Q:あなたが事業を継ぐきっかけは何でしたか?

A:390周年の式典をニューキャッスルで行った際に、日経新聞に取り上げられ、そのニュースを見て福山に帰ることを決意しました。小学校の頃から家業を継ぐという意識はありました。

Q:仕事の中で大切にしていることは何ですか?

A:お客さんとの接点を持ち続けることを大切にしています。毎日朝早くから作業をするわけではないですが、お客さんの顔を見る機会を増やし、接客をすることで、接点を保ち続けたいと考えています。

Q:会社の目標は何ですか?

A:403年の歴史を持つ当社では、上場や売上アップ、日本一を目指すような目標も考えられますが、古い会社として長く続けることを美徳とし、500年続くような企業になりたいと思っています。

Q:12月のイベントについて教えてください。

A:12月のイベントは、築城400年のアフターイベントとして、福寿会館で開催されるものです。5つの授業の中の一つが冬祭りで、その中で福山城のナイトエコノミーをテーマにした内容があります。昼はお菓子教室を行い、夜はワインとスパイス洋館でサボテンや多肉植物とのコラボイベントを行います。

Q:その多肉植物とはどういうものですか?

A:多肉植物は、最近ブランディングの中で異質さを醸し出すアイテムとして注目されています。例えば、ルイ・ビトンがウィンドウショップに展示したり、京都のお寺でイベントを開催したりしています。これらの植物は、異質な雰囲気を醸し出し、非常に人気があります。

Q:夜の部の内容は?

A:夜の部では、福山ワイン工房のワインを提供し、赤と白のワインを楽しむことができます。このイベントは新しい文化を作り出す試みの一環として行われています。

プライベートについて

Q:休日の過ごし方や趣味について教えてください。

A:休日は家族と過ごすことが多く、特に子供が小さいので一緒に過ごす時間を大切にしています。趣味としては美術館によく行くことや麻雀を楽しむことがあります。美術館には瀬戸内国際芸術祭などのイベントにも関心があり、将来的には出展したいと考えています。

Q:MBAホルダーとは何ですか?

A:MBAホルダーとは、Master of Business Administration(経営学修士)の資格を持つ人のことを指します。グロービスというビジネススクールで学び、その中での繋がりやネットワークを活かしてビジネススクールの会を開催しています。広島県立MBAやグロービスなどのMBAホルダーが定期的に集まり、情報交換やネットワーキングを行っています。

Q:スポーツに関しては、何か特定のものをしていますか?

A:昔はバスケットボールをしていましたが、今は特にしていません。中学校の頃には、特定のバスケチームで遊びに行っていました。

Q:プライベートでの趣味や過ごし方について教えてください。

A:プライベートでは、美術館に行ったり、家族と出かけたりすることが多いです。また、時々、友人たちと麻雀をすることがあります。飲み会もありますが、固定のメンバーで飲むことは少なく、様々な人と飲むことが多いです。

Q:好き嫌いについて、具体的にはどのようなことですか?

A:好き嫌いが激しく、納得いかないことややりたくないことが顔に出やすいです。しかし、それを隠すのではなく、率直に表現することが大切だと考えています。

YEGに関して

Q:YEGへ入会されたのは2022年とのことですが、入会のきっかけは?

A:先輩に言われてですね、吉本さん。

Q:当初、入会する前はYEGってどんなイメージがあったんでしょうか。

A:YEGは詳しく知らなかった。でもジュニエコのイメージでしたね。先輩がやられてた時、話は聞いてたんで。

Q:YEGに入会して良かったですか?

A:エピソードで言うと、名古屋に県外視察に行った時、新入会員の方がいらっしゃったんです。2人いて、手持ちぶさたにされてた方がいらっしゃって、各委員長の人たちが結構代わり代わり来て、挨拶して来てくれてありがとうねとか、打ち解けようと、おもてなしされてたのを見て、そこをめちゃくちゃ覚えても素晴らしいなって思いましたね。

Q:入会後、変化したなっていうことがありますか?

A:嫌いなことに対してちょっとやってみようかな、それを先輩会員の方もおっしゃってたことなんですけども。嫌いというか、自分が苦手としてることを一回ちょっとやってみるのもいいんじゃないの?タイミングが合えば、できるできないのもその範囲があるので。

Q:YEGに入会して、困ったことはありますか?

A:妻への説明ですかね。コミュニティが増えるほど、YEGに限らないないのですが登場人物が増えるので、誰々とどこどこ行くっていうのが、あんた何してるんだっていう。

Q:YEGの中で、今つながりたい人物や企業っていうのがありますか。

A:卒業される方との繋がりを意識します。来年卒業される方っていうのは、もうそこだけなので関われるのは。その方とはお話ししたいなと思います。

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