国内ソファメーカーの一翼を担う心石工芸
専務取締役 森安一
Release: 2023.08.31
Update : 2023.08.31
株式会社心石工芸
広島県福山市柳津町4-5-20
TEL 084-933-3335
https://www.sofa-kokoroishi.jp/
当社はソファを中心に直販・OEMを行っています。自社ショップは革専門ソファとして東京に直営店を設けています。ソファだけでなくいろんな商品対応できますので(カーシートや飲食店の椅子等)ご用命御座いましたらお声がけくださいませ。
事業紹介
Q:事業紹介をお願いします。
A:数少ない国内ソファメーカーとして、末永くお使いいただけるソファ作りをしています。
Q:国内メーカーはどのぐらいあるのでしょう?
A:当社の同じメーカーとしての立ち位置であれば20社程度だと思います。
Q:福山市にあるということの希少性を感じますね。他メーカーとの大きな違いはありますか?
A:革を世界中から仕入れ、断裁、縫製の一貫した製造ができるメーカーはそうないと思います。特に当社の場合は、ソファの企画提案や新商品の開発、提案方法、メンテナンスも含めて内製化していますので、メーカーとしてできる限りの研鑽し続ける体制をとっています。これらの複合的な要素を兼ねているメーカーはなかなか無い強みだと自負しています。
Q:どんなソファづくりをされていますか?
A:当社のプロダクトには20ほどの基本的なラインナップを取り揃えており、その中から1点ずつお客様に合わせたオーダーでお作りしています。もう一歩先の高品質カテゴリーもありまして、素材や造りにさらにこだわったラインナップもご用意しています。
Q:受注生産なのですね。
A:そうです。1点ずつ造ります。大量生産するようなものづくりではありませんし、特に革製品の特徴として生き物からの素材は手で触り、目で見て判断する必要がありまして、効率の面を考えてもベストを尽くすことが最も良い商品をお届けできるという方針です。
Q:ホームページの動画も拝見し、想いを感じる部分が多かったです。
A:ありがとうございます。ぜひみなさんにもご覧いただきたいです。
会社の歴史
Q:心石工芸さんはどのように始まりましたか?
A:もう亡くなられているのですが、先代社長の時代、応接セットの需要があることへ思い立ち、独学でソファの作り方を学ばれました。戦後復興の高度成長期に合わせたタイミングと、バブルまでの絶頂の時代が重なり、作れば売れるという時代ですね。
Q:バブル後はどのような動きになったのですか?
A:全国のソファメーカーやインテリアショップのOEMのご注文をいただくようになり、そこでさらにソファメーカーとして技術経験を積むことになりました。
Q:今もOEMのお仕事は多いですか?
A:そうですね。ただこの10年、15年は自社にブランド戦略を掲げていまして、特に東京のショールームで当社のソファをお楽しみいただける世界観へチャレンジしたり、新しいソファづくりに対して余念がありませんでした。
Q:ブランドが育っている実感もあるということでしょうか?
A:まさにここ最近ですね。ようやくソファメーカーとして名前を連ねていただけるような機会に恵まれたり、値段設定や表現の仕方に我々の意思を反映しやすくなってきたという実感があります。
入社のきっかけ
Q:どのような経緯で入社されたのですか?
A:2000年からなのでもう23年ですか。私はもともとインテリア関係の学校を出まして、広島市の方で一度就職をしました。その会社は店舗兼デザイン事務所として、設計と施工をする事業をしていまして、入社後すぐに軽トラとマスターキーを渡されました。何をするのかと思ったら、広島の流川のお店を片っ端から改装していくという仕事を2〜3年ぶっ続けで対応していました。店舗が改装オープンしたらお祝いに飲みにいくみたいな毎日でした。
A:そんなことをしていたから体が壊れてしまい、もう無理だ、辞めよう、となって福山に戻ってきたんです。地元でプラプラしている時に、共通の知り合いを通じて心石(現社長)と一緒になり、「今何してるの?暇ならうち来てみる?」みたいな話になって、拾っていただきました笑
苦労していること
Q:大変だなぁと思うことはありますか?
A:立場上、クレーム対応をすることがあるのですが、それは、、、場合によってはきついこともありますね。今すぐ来い!みたいな。もちろん、否のあることは認めて謝罪して当然ですから真摯にご対応はしているつもりですが、稀にすごくキツい場面があったりすると心が折れることもあります。
仕事で大事にしていること
Q:お仕事で大切にしていることはありますか?
A:信頼と誠意に尽きます。
Q:心石工芸様のホームページにも近いことが書いてありましたが同じということでしょうか。
A:はい、会社としてのモットーでもあり、私自身が大切にしていることでもあります。どんなお仕事にも共通することだと思いますが、言われたことをするのはプロの仕事じゃない。相手が言葉にできない期待値、希望を汲み取ることで一歩先の仕事をすることがプロだと思っています。
やりがい
Q:やりがいとして感じられている部分はありますか?
A:私がOEMの担当という立場だけではありませんが、先程申しましたとおり相手の一歩先をご提案差し上げたことがピッタリと当てはまって喜んでいただけた瞬間はとてもやりがいがあります。
Q:OEMの担当以外でもたくさんありますか?
A:はい、当社の仕事が多岐に渡る面として、ソファの企画、製造、プロモーションも内製化していまして、会社の根幹やスピードが必要な場面においてはできる限り外注せずに自分たちで対応しています。
Q:例えばどんな業務ですか?
A:ホームページの商品撮影や更新業務なんかもそうですし、自分たちの強みは自分たちで賄う方針です。魅せること以外でも、材料の仕入れやインテリアコーディネートも自分たちでやります。不慣れなこともありますが、その分魅力を最大限引き出すアイデアも増えますし、結果お客様の満足がやりがいにつながっています。
会社の目標
Q:「日本で最も信頼いただけるソファ・ファクトリーになること」と書いておられましたが、この目標を実現するためのタスクや要素にはどんなものがありますか。
A:会社として5Sや3Sといった基本を抑えながら、社内教育のための勉強会を日々行っていることも1つの要素ですが、ソファ業界に固執せずに既成概念にとらわれない発想を大切にしたいです。
Q:ソファに固執しないビジョン、気になります。
A:当社の技術を活かせることならどんなことにでも挑戦する、という意味ですね。革でも布でも良いですし、切ったり貼ったりといった技術もあります。もちろん当社の設備もですね。ですから、当社のことをYEGのみなさんに知っていただき、「こんなのできる?」「こんな商品作ってみない?」と互いの強みを掛け合わせてチャレンジしたいと考えています。
福山YEG入会のきっかけ・入会後の変化
Q:入会のきっかけを教えてください。
A:新しい人脈形成ができればと思い入会しました。
Q:具体的には取引先を増やすためですか?
A:たしかに、当社商品をご購入いただける企業さまにもめぐり逢い、ご贔屓にしてくださっている方に感謝しています。それと同じくらい、福山YEGへ入会することで、独自の強みをお持ちの企業さまと出会うことで、新しいものづくりへチャレンジしたいという想いから入会にいたりました。
福山YEGでつながりたい人物・企業
Q:掲載依頼に、「素材(鉄・木・カーボン)を扱っている企業さま、オリジナル加工技術(溶接・塗装・削り)のある企業さま、並びに当社の商品をご購入頂ける企業さま。」と送信いただいていますね。
A:はい。すでにYEG内で繋がりに恵まれているのですが、福山YEGメンバー企業さまとの出会いに恵まれて、粉体塗装を施したソファの脚や、筒状の脚を作っていただいています。
企業によって独自性や強みって違ったりするじゃないですか。例えば製造業の会社で、ここまでは内製化していて技術力も創造力もある。でもここは外注になるから融通が効かない、とか。
そういうことを知りたいです。当社には想像もつかない技術や独自性をお持ちの企業がたくさんあると思うので、互いの企業を知り合うことで新しい価値を創造し合える関係を望みたいです。
Q:なるほど、ソファに限った話でもなくですか?
A:はい、大前提として、当社はソファメーカーとして確固たるものづくりを目指し続ける当社ですから、メーカーとしてこだわり続けますが、今後のビジョンの1つにはソファを創る技術を活かして新しいものづくりへチャレンジすることも掲げています。
Q:それが事業再構築の中身ですか?
A:そうです。当社はソファづくりを通じて、特に革への知識経験、切る、縫う、貼るといった加工技術に自信がありますので、ソファだけでなく、この技術を活かしたものづくりも新規事業としてチャレンジしていきたいです。金属フレームやポリカーボネート、レジンが使えないかなとか考えたりしています。
Q:ソファ以外に作られたものを教えてください。
A:試作という意味でよければたくさんありますよ。レザーを貼ったテーブル、レザーのドア、レザーコースター、レザーのブックカバーとか、端材を活かす場合もあれば、こんなの作れない?っていうご相談から始まるものもあります。
福山YEGに入会して良かったこと・入会後の変化
Q:YEGへ入会して良かったと思うことはありますか?
A:福山商工会議所とのつながりが強くなったことですね。事業再構築補助金の申請にも、こんなにも丁寧に親身に世話をしてくださるのだと感動しました。お陰様で補助金の活用へ進むこともできています。
商工会議所って無料の勉強会をいっぱい開催しているんですよね。一般参加ですと何万円もするセミナーが商工会議所の会員であれば無料だったり、過去のウェブセミナーも見放題ですから、勉強する気になればこれほど有意義に活用できる会はないと思っています。
Q:森安さんは自己研鑽への意欲が高いですね。
A:むしろそれが入会動機のメインです。
Q:では入会後、ご自身の変化としてはたくさんありましたか?
A:入会後の体験価値という意味では、変化ということではなく、狙いがあって入会したので、イメージしていたことを得られていると感じています。
福山YEG入会後に困ったこと
Q:YEG入会後に困ったことはありますか?
A:困っていることをしいていえば、副会長の役を3期やっていますのでそろそろ・・・誰か代わってくれないですかね(苦笑)
個人について
Q:個人についてはほとんど情報がありませんでしたが、個人を知ってもらうというよりは、今後を見据えて企業として知り合いたいという意味合いが強かったのでしょうか?
A:そうですね。個人は特に、、、何も書くことがないというか、今やっていることがないんですよね。
Q:昔は絵や歌、囲碁をやっていたとありますが。
A:今は趣味としてまったくやらなくなったというか、時間がなくなっちゃったというか。昔はバンドやったりイラストを描いたり。今は娘のためにちょっと作ったものをインスタとかに載っけてるぐらいで・・・
Q:「え?これは?」「これも?」「これすごい!」同席者より
A:これは娘の誕生日に。
A:イラストを描いてみたり。
A:雪だるま。
Q:器用ですね!森安さん個人を知ってもらうのはこれらを見ていただくことで人柄や大切にしていることが伝わりそうなので紹介させてください。
A:こういうことでよければご使用ください。ちなみに運動の才能はゼロです。手先を1ミリ動かすような作業は好きなんですけどね笑