粉体塗装で人を繋ぐ!有限会社シリウス

代表取締役 杉原 広昭

Release: 2023.08.21

Update : 2024.01.05

有限会社シリウス

〒721-0953 福山市一文字町14-34

TEL 084-961-4300

https://sirius-jp.net/

有限会社シリウスは、粉体塗装を強みとした金属製品への塗装を施す事業をしています。制御盤のボックスや工作機械のフレーム、カバーなどの金属製品の塗装のほか、インテリア製品の金属部分の塗装も手掛けており、手すりや建築関係のパーツ、家具の足なども取り扱っています。

事業紹介

Q:杉原会長、会社の事業紹介をお願いします。

A:当社の主な事業は、金属製品に対する粉体塗装です。主力は制御盤のボックスの塗装や、工作機械のフレーム等のカバー・建築関係の手すりや階段の手すり・家具の脚などのインテリア製品などの金属部分の塗装です。

Q:粉体塗装とは何ですか?

A:粉体塗装とは、通常の液体ペンキでの塗装と違い、塗料が粉状になってます。それを静電気で吹き付けて付着させ、焼き付けて塗膜にする塗装方法です。液体ペンキとは違い粉体塗装は耐候性が強く、長持ちするのが特徴です。

Q:粉体塗装と通常のペイント塗装との違いについて、もう少し詳しく教えてください。

A:通常のペイント塗装では、塗料にシンナーを混ぜて使用します。シンナーには揮発性がある為、

塗装面に細かい穴が開いた状態の塗膜を形成する。そうすると、外から空気や水が浸透する可能性があります。

一方、粉体塗装はプロエッセンスの樹脂を粉同士が密着して熱で溶けて固まるので、基本的に小さい穴がなく、コーティングが可能です。英語でいうとパウダーコーティングですね。仕上がりも綺麗でデザイン性が高く、通常よりも厚い塗装が可能になります。

Q:それでは、御社が得意としている粉体塗装でグラデーションを作り出すという技術について、もう少し詳しく教えていただけますか?

A:粉体塗装でグラデーションを作るのは一般的な塗装ではなく、特別な技術が必要となります。当社では2015年から技術開発に取り組み始め、現在、日本国内でこの技術を持つのは当社だけとなっています。

Q:主に東京の方から受注するとのことですが、それはどのような仕事でしょうか?

A:主にデザイナーや設計事務所からの依頼が多いです。私たちの粉体塗装の技術を活かして、ユニークなデザインの作品を作り出すことが可能なのです。地元でも仕事を受けますが、この特別な技術を求めて東京から依頼が来ることが多いですね。

Q:これからの展望や、力を入れていきたい点などがあれば教えていただけますか?

A:当社のこの技術を知っている企業は、まだまだ少ないので、今後は認知の拡大に力を入れていきたいと思っています。また、更なる技術の向上も心がけ、どんどん新しい事に挑戦をしていきたいと思っています。

会社の歴史・起業のきっかけ

Q: 会社の歴史、成り立ちはどうなっていますか?

A: 2002年に父が制御盤の営業の会社として設立しました。2007年に父が急に倒れた事で、経営していた当社を父から引き継ぐことになりました。当時は異業種で働いていており、そもそも事業承継などは考えていませんでした。しかし、父の頑張りを見ていたので、簡単に潰すことはで出来なかった事。かねてより、経営者になりたいという気持ちもあった事などの理由で代表取締役になりました。

2012年に粉体塗装の工場を作り、外注だった塗装を内製化しました。しかし、金銭的に非常に苦労しました。工場建設当初は設備の回収や工事の遅れなどで金が入らず、危機的な状況で胃に穴が開くほどのストレスでした。しかし、その時に粉体塗装を始め、設備投資や社員を増やすことで、現在の形に至った事を考えると自転車操業のような苦労はありましたが、チャレンジして良かったと考えています。

やりがい・大変な面

Q: 仕事のやりがいや醍醐味、苦労について教えていただけますか?

A:はい、当社は2012年に塗装を始めましたが、最初は工業製品に対してのものだけでした。その後、看板屋での経験を活かし、横展開を考え、東京の市場に進出しました。最初の展示会では「わぁすごいね」って感じでしたが、最初は思うように受注が取れず苦労しました。

最初の2年は全く相手にされない感じだったんです。展示会に2回出展し、引き合いもなく、もう無理かなと思ったんですけど。もう1回だけ!という感じで、諦めずに出展しました。

すると3年目に、やっと少しずつ受注が入る様になりました。今では順調に装飾の仕事が増え、店舗やホテルの客室など、多岐に渡る案件を手掛けています。口コミでホームページから問い合わせや、発注依頼が来るようにもなりました。

しかし、大変な面もあります。人材面での苦労です。社員が13人に増えたことで、今までに無かった、人間関係のトラブルなども起ります。それに対応するべく、去年から個人面談を始め、社内のチームマネジメントに力を入れています。確かに大変なことも多いのですが、やりがいを感じる仕事が多いのも事実です。

毎回、案件ごとにデザインや作品が違ったり、1年間の打ち合わせを経て、1つの作品を作り上げる過程は、何物にも代えがたい醍醐味があります。

仕事で大事にしていること

Q: 仕事の中で大切にしていること、価値観などはありますか?

A:そうですね、私が一番大切にしていることは、「相手と対話ができるような仕事をしよう」という事です。報告をすぐにする、お客さんが困って事に対して期待以上の問題解決をするといったことを心がけています。お金儲けも大事ですが、まずは問題解決をする事が先です。困っている事をちゃんと聞いて、丁寧に仕事をするように社員にも伝えています。

会社の目標

Q:今の会社の当面の目標は何ですか?全体的な方針や具体的なアクションなどはありますか?

A:会社の目標は多岐にわたりますが、大事にしているのは品質の向上と、みんなが楽しく仕事できる環境作りですね。夏場の暑い工場の中でも、仕事を楽しく行える雰囲気作りを心がけています。それが社長である私の個人的な目標でもあります。

会社としては、認知度を上げ、いろんな仕事をしてもっと大きくなること。社員みんながもっと輝ける様に、社員面談などから色々な意見を取り入れ、日々改善を重ねていていきたいです。

福山YEGに入会して良かったこと

Q:YEGに入会して良かったことは何でしょうか?具体的に何か助けになった経験や変化があれば教えてください。

A:YEGに入会して良かったと感じる点は、他の会員から直接的に仕事を受注したとかいう事ではなく、入会当初、先輩方から仕事の仕方や経営感覚について色々な話を聞くことができたことです。それらの話が今の自分にとって非常に役に立ったと感じています。

Q:先輩方との交流の中で特に心に残った言葉や助言があれば、教えていただけますか?

A:一番心に残っている言葉はある先輩から「プレイヤーじゃダメだよ」と言われたことです。最初の頃は、営業から納品まで全部自分でやっていて、常に忙しい状態でした。そんな姿を見た先輩から
「いつまで経ってもそれでは会社が成長しないし、自分自身としても成長しないよ」
と言われたんです。それを言葉を受けて少しずつ仕事のやり方を変え、会社を変化させていき、今の成長があります。

Q:具体的にどのような変化があったのでしょうか?具体的な行動や考え方の変化などがあれば教えてください。

A:その言葉を受けて、全てを1人でやるのではなく、仕事を社員に積極的に任せるようにしました。その結果、社員も着実に成長していき、会社としての成長にも繋がりました。もちろん、自分自身としての成長が一番大きかったと感じています。

福山YEG入会後に困ったこと

Q: YEGに入会した後、困ったことはありますか?

A:はい、困ったことはたくさんありました(笑)。特に、家にいる時間が減ることなどが挙げられますが、、、それを「大変だった」と感じた事はあまりないです。強いて言えば、変な友達が増えた。かな(笑)

福山YEG入会のきっかけとその後の変化

Q:入会のきっかけは何だったのですか?また入会後、自分自身の変化や、これから取り組みたい事があれば教えてください。

A:入会のきっかけは、粉体塗装を始めた頃にYEGのOBの方から誘われたことでした。誘われた時、ちょうど今後の事業展開を考える中で、自分1人の力では行き詰まりを感じており人脈が必要だなと思っていましたので、入会する事になりました。

自分自身の変化としては、初めて会員の方に会った時は、何となくレベルの違いを感じましたが、親睦を図るうちに、みなさん実は素朴な人達だとわかり、自分をさらけ出してもいいと思うようになりました。会員はフランクな方ばかりで、現在もその雰囲気は維持されています。

これからも、より多くの方と親睦を深めて、人間同士の付き合いの中で様々なことを進めていきたいと思っています。

福山YEGでつながりたい人物・企業

Q:YEGで繋がりたいと思う企業や人はいますか?

A:はい、あります。顧客と繋がるというよりも、当社の仕事に共感してくれるパートナー企業や色々なアイデアを持っている人たちと繋がりたいと思います。YEGで繋がった企業は、何でも言い合える良好な関係ですので。

A:それはYEGでの繋がりから生まれた関係ですか?

Q:もちろん、きっかけはYEGです。ただ、YEGだからという理由で特別に話を聞いてくれるわけではないと思います。しかし、YEGで人間関係が築けることは事実ですので、通常のビジネス取引よりも信頼関係が深く築けると感じています。何か問題がある時も、この関係は強いと感じます。

個人について

Q:休みの日や趣味について教えていただけますか?

A:趣味はカメラで写真を撮ったり、ゴルフをしています。写真は主にストリートスナップのような風景を撮ることが多いです。それを通じて仕事のインスピレーションを得ることもあります。ゴルフは上手くならないのが楽しいですね(笑)。難しいから楽しいと感じています。

Q:音楽などは聞かれますか?

A:車の中ではApple Musicのラジオをかけ流しています。クラシックもたまに聞くのですが、凝り性なので、あまり深掘りしないようにしています(笑)

Q:本は読みますか?おすすめの本やジャンルについて教えてください。

A:本も読みます。最近はビジネス本が多いですが、小説も読もうと思っています。おすすめの本については特にないですね。

Q:好きなお酒や晩酌について教えていただけますか?

A:好きなお酒は甘くないレモンサワーです。晩酌はしますね。焼酎炭酸割りなどを飲みます。

Q:好きな芸能人や著名人はいますか?

A:建築家の谷尻誠さんが好きで、その人の仕事の考え方や建築のものの見方がとても面白いです。彼の考え方はシンプルだけど変わっていて、当たり前を疑う感じで独特のものの見方をしています。俯瞰して見ることやオリジナリティがあり、とても面白いと感じています。

Q:自分を一言で表すと、どんな人間だと思いますか?

A:自分のことはよくわかりませんが周りからは「こだわりが強い」とか、「何考えているかわからない」と言われることがあります。一言で表すのは難しいですね。。。

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