深江特殊鋼株式会社

執行役員 木村 基良

Release: 2024.12.18

Update : 2024.12.20

深江特殊鋼株式会社

広島県福山市曙町2丁目3-17

TEL 084-953-4500

https://www.fukae.co.jp/

深江特殊鋼株式会社は「ものづくり商社」をコンセプトとして 常に前進を続ける「金属加工販売会社」です。 お客様の「ベストパートナー企業」を目指し、VA/VE提案力や調達代行機能を強化し続けております。

事業紹介と会社の歴史について

Q:事業紹介をお願いします。

A:当社は1959年に創業し、特殊鋼の流通卸売りを主要業務としています。創業当時は高度経済成長期の真っ只中で、鉄鋼業界も盛り上がりを見せていました。当時の福山市内で、小規模な倉庫を拠点にスタートしましたが、地域のニーズに応える形で広島や岡山にも支店を展開し、エリア全体をカバーする体制を整えました。特に、特殊鋼の卸売りを通じて産業界の発展を支えるというミッションは変わることなく、地元の中小企業から大手企業まで、多様な顧客のニーズに応え続けてきました。

Q:「特殊鋼」とは具体的にどのような素材なんでしょうか?

A:当社が扱う「特殊鋼」は、鉄に元素を加えて特別な性質を持たせた素材です。バネのように弾力性を持つ鉄や、錆びにくいステンレス鋼など、日常生活のあらゆる製品に使用されています。私たちはその特殊鋼を、メーカーから仕入れて、細かく分けて顧客に供給する役割を担っています。私たちは鉄を作る会社ではなく、鉄鋼製品を流通させる商社として、幅広い業界のお客様と取引を行っています。

会社の独自性

Q:深江特殊鋼さんの独自の強みや特色についてお聞かせください。

A:当社の最大の強みは、材料の流通だけでなく、加工まで一貫して行うことができる「ものづくり商社」機能です。材料を仕入れるだけでなく、それを切断・加工し、顧客に提供することで、他社にはない一貫支援を実現しています。このような事業モデルは業界でも非常に珍しく、全国的にも数少ない存在です。また、単なる商社機能にとどまらず、材料から加工、そしてデジタル技術を掛け合わせた新しいサービス展開にも力を入れています。

就業のきっかけ

Q:木村さんが就任に至ったきっかけについてお聞かせください。

A:私が当社に戻ったのは、偶然の積み重ねとも言えます。私は次男で、もともと家業を意識しておらず、商社勤務を楽しんでいました。その後、転職をして事業承継を行う中小製造業のホールディングス企業の立上げに携わり、他社の事業承継をサポートする経験を積みました。そこで「事業を承継することの難しさ、責任の大きさ」を実感し、家業に対する意識が変わってきたのです。他社での事業承継課題に関わる中で、自分も家業に貢献すべきだと感じ、戻る決心をしました。決して計画的なものではなく、流れに身を任せた結果、家業に戻ることになったのです。

仕事のやりがい

Q:やりがいについてお聞かせください。

A:家業に戻ってから感じた仕事のやりがいは、自分が関わることで会社が少しずつ変わっていくことです。特にデジタル化の推進や新しい顧客との関係構築は、目に見える形で結果が出やすく、それが大きなモチベーションになっています。また、自社の採用サイトや取引先向けのサービスページの作成にも関わり、それをきっかけに新しい取引が始まったり、新たなメンバーが入社するのを見ると、自分が会社にプラスの影響を与えているという実感が湧きます。

仕事の大変さ

Q:仕事をする上で大変さを感じる部分はありますか?

A:やりがいを感じる一方で、事業全体を把握することの難しさも痛感しています。特に、当社のように多岐にわたる事業を展開していると、すべての分野に精通するのは簡単ではありません。私自身、まだ十分にキャッチアップできていない部分が多く、時には的確な判断ができず、もどかしい思いをすることもあります。商社時代は自分の担当する分野に集中できましたが、今は会社全体を見渡す必要があり、経理や総務など、これまで経験してこなかった領域にも関わるため、毎日が勉強です。

仕事で大事にしていること

Q:大切にしていることはありますか?

A:「業界のあるべき姿を追求すること」は、私が仕事で大切にしている信条です。父や祖父からもこのことはよく言われてきましたし、商社勤務時代にも自分の経験を通じて実感しました。鉄鋼業界に限らず、業界全体の動向や未来を見据え、その中で自分が何をするべきかを考えることが、長期的な成果を生むと信じています。日々の仕事の中でも、この視点を忘れずに取り組んでいます。

会社の目標

Q:今後の会社の目標についてお聞かせください。

A:今後の目標は、デジタル化をさらに進め、従来の特殊鋼流通の枠を超えた新しい価値を創出することです。特殊鋼流通市場は縮小傾向にありますが、私たちはデジタル技術を駆使して、今後も成長を続ける分野を模索しています。最近では、デジタル技術を活用して調達や加工のプロセスを効率化する企業が注目されていますが、当社は材料から加工、そして流通までを一貫支援できる強みを持っているため、これを活かして「デジタルものづくり商社」化を目指しています。

福山YEG入会のきっかけ

Q:福山YEGに入会したきっかけと、入会後のご自身の変化についてお聞かせください。

A:福山YEGに入会したのは、同じ境遇の経営者たちとのつながりを深めたいという思いからです。以前は仕事に集中しすぎてしまい、バランスを欠いていると感じることもありましたが、YEGの活動を通じて、会社の外での交流や学びの場を得ることができ、自分自身の成長に繋がっています。特に、同じ経営者同士の交流は、刺激的で学びが多いと感じています。

福山YEGに入会して困ったこと

Q:困ったことは何かありますか?

A:会社の仕事とYEGの活動のバランスを取ることでした。帰郷した当初は、会社の業務に集中している時期で、キャッチアップが必要な部分が多かったため、YEGなどの活動に積極的に参加する余裕がなかったのが正直なところです。しかし3年経が経ち業務の範囲が広がっていく中で、日々の経営もやりながら、時間的にも気持ち的にも余裕を持つことができるようになってきました。 今では、徐々にYEGの活動が仕事にもプラスの影響を与えることに気づき、今ではその両立を図りながら、仕事とYEGの活動のバランスを取ることができるようになっています。

福山YEGでつながりたい人物・企業

Q:YEGで出会いたい方や何かができる企業とつながりたいといった想いはありますか?

A:YEGを通じて、地域のさまざまな企業や経営者とつながることができましたが、特に今後は、デジタル化や新しい技術に積極的に取り組んでいる企業や、異業種の経営者との交流を深めたいと考えています。自社の業務に直接関わらなくても、新しい視点やアイデアを得られることが多いため、これからも幅広いネットワークを築いていきたいと思っています。

個人について

Q:休日はどうお過ごしですか?

A:休日は、子どもと一緒にゴロゴロ過ごすのが一番の楽しみです。私はもともとアクティブなタイプではなく、家でゆっくりすることが好きなので、子どもが隣でゴロゴロしているだけで十分幸せを感じています。また、サッカーが好きで、時間があればスタジアムに行ったり、フットサルを楽しんだりしています。最近はなかなかプレーする機会は減ってしまいましたが、今後も続けていきたい趣味の一つです。

Q:好きな音楽や漫画はありますか?

A:音楽については、特定のジャンルにこだわらず、ランキングトップ10に入っている曲をまず聴いてみるというスタンスです。流行している曲を聴くことで、その時々のトレンドや文化を感じるのが好きです。最近では、K-POPも日本のランキングに入ってくることが多く、特にニュージーンズのようなアーティストの映像表現やダンスに注目しています。彼らのプロモーションビデオの作り込みや、パフォーマンスの見せ方に感心しています。また一方、漫画については、例えば、漫画『インベスターZ』の作者、三田紀房さんの作品には一貫して「意外性」と「学び」があり、そこが特に魅力です。『ドラゴン桜』でも感じたように、三田さんは常に斬新な切り口で物語を展開し、読者に考えさせるスタイルを持っています。『インベスターZ』では、単なる投資の話にとどまらず、戦略やリスクの捉え方といったビジネスに通じる考え方が盛り込まれており、エンターテイメント性と学びが絶妙に組み合わされています。三田さんの作品は、読むたびに新しい視点を提供してくれるのが魅力です。

Q:好きな書籍や著名人はいらっしゃいますか?

A:私の人生に大きな影響を与えた書籍として、松下幸之助氏の『道をひらく』があります。社会人になったばかりの頃、仕事で壁にぶつかり、自分の将来に悩んでいた時期にこの本を手に取りました。「冬を耐え忍ぶ者に、必ず春は訪れる」というメッセージが特に心に残り、困難な状況でも前向きに頑張る勇気を与えてくれました。この本を読んだことで、自分の中に希望が湧き、もう少し頑張ってみようと決意できたのを覚えています。

  また、ニデック株式会社(旧日本電産)の創業者、永守重信氏も私の尊敬する人物の一人です。大学時代に講演を聞いたことが、私の価値観を大きく変えるきっかけになりました。講演では、猛烈な努力と挑戦を続ける彼の姿勢に圧倒され、自分もビジネスの世界で挑戦し続けることの大切さを学びました。特に印象的だったのは、永守氏が社会にでたら、まず人の3倍努力しろ」と語ったことです。この言葉は、自分自身が何事にも全力で取り組むべきだという教訓として、今も私の中に残っています。

Q:ご自身を一言で表すと?

A:自分を一言で表すなら、「人間界の特殊鋼」です(笑)。特殊鋼は、鉄にさまざまな元素を加えることで、柔軟でありながら強靭な特性を持つようになります。同じように、私は頑固で固い一面もありますが、仕事や人生の中で、さまざまな経験や挑戦を通じて成長し、どんな状況にも柔軟に対応しながら強さを発揮できる人間でありたいと考えています。どんなに厳しい環境や困難な状況でも、折れずに立ち向かっていく姿勢が、自分自身の特性だと思っています。特殊鋼がその用途によって多様な形で役立つように、私もあらゆる状況で自分の能力を最大限に発揮して、会社や周囲に貢献していきたいです。

  これが私の信念であり、会社の中でも社会でも、その特性を活かしていくことで、今後も成長していきたいと考えています。

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