For Fukuyama Young Entrepreneurs Group Web Magazine ” Break ”福山商工会議所青年部メンバーのインタビューを掲載しています。

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看板からデジタルサイネージまで|府中発・進化する情報発信企業

専務取締役 立石理恵

Release: 2025.09.19

Update : 2025.11.06

株式会社タテイシ広美社

広島県府中市河南町114

TEL. 0847-43-4886

https://t-kobisha.co.jp/

“伝える”を、もっと自由に、もっと豊かに。」 タテイシ広美社は、広島県府中市に本社を置く、サイン(看板)やディスプレイの企画・デザイン・設計・製作・施工までを一貫して手がける専門メーカーです。 駅や空港、観光地、商業施設、東京オリンピック、さらには大阪・関西万博など、全国各地の“伝える場”づくりを支えてきました。

事業紹介

当社は看板屋です。ただ、単に看板を作るだけではなく、デザイン・企画・設計・システム開発・制作・施工・メンテナンスまで、一気通貫で行っている会社です。


一般的には製造業に分類されるかもしれませんが、創業者である父はこれを「情報伝達業」と呼んでいました。はじめは「そんな業種はない」と言われることもありましたが、ある方から「人の流れを生み出す仕事ですね」と言っていただき、その言葉に大きくうなずいたのを覚えています。

情報を“伝える”だけでなく、“行動を導く”──
それが、私たちのサインの本質です。


ケンタッキー・フライド・チキンをはじめとする大手飲食チェーンや、地元のスーパーマーケット、ドラッグストアのサイン製作を全国で手がけており、大阪・関西万博などの国際的イベントにも携わっています
こうした案件を含め、年間で5,000~8,000件程度の施工実績を誇ります。

また、新規事業としては、全国の電気自動車(EV)の充電スタンドの製造・設置にも注力しており、年間約1万台を一貫体制で対応しています。

社業の強みや独自性

全国に看板屋は星の数ほどありますが、当社のようにアナログとデジタルの両方を一貫して提供している会社は、全国でも本当に数えるほどしかないと思います。

看板にデジタル要素を組み込みつつ、一点ものとしてシステム開発から手がけ、それを自社で施工まで担う──そんな業態は、全国的にも非常に珍しいと思います。

さらに、全国展開となると各地の法令・条例の違いや施工管理上の課題も出てきますが、当社ではそれらをすべて自社で対応できる体制を整えており、これも大きな強みのひとつです。

また、仕入れにも強いこだわりを持っており、世界中から最新の素材や技術を直接取り寄せています。これは、私自身や社長が学生時代にバックパッカーとして海外を巡った経験、そして上海に5年間住んでいた経験にも根ざしています。

こうした背景から、私たちは場所にとらわれず、世界の感覚を持って働くことを自然に実践しており、それが事業の柔軟性や先進性にもつながっていると感じています。

事業所の歴史

1977年、父と母が立ち上げた小さな看板工場から始まった当社は、地域に根ざしたものづくり企業として少しずつ成長し、私が入社した2013年当時は社員数26名の体制でした。そこから10年余りで社員数は140名を超えるまでに拡大し、組織も事業領域も大きく進化しています。

就任に至るきっかけ

長女として、いつかは継がなきゃという思いはありました。でも、夫である現社長と結婚する時点ではまだ決心はついていなくて。ただ最終的に、夫が一緒に事業を継いでくれるということで、帰ってきて継ぐことになりました。やはり、パートナーがいたというのは大きかったです。


夫はもともとJFEスチールで経理を担当していましたが、もっと幅広くビジネス全体に関わりたいという思いから、大手印刷会社へ転職しました。

その後、上海駐在員として海外勤務を経験し、現地での経営やものづくりの現場に触れる中で視野がさらに広がったと感じています。そしてその上海での駐在期間中に、夫婦で当社を継ぐことを決意しました。現在の仕事にも、そのときに得た経験が大きく活きています。

仕事のやりがい

私は人事・総務、そして海外企業との交渉や通訳を担当しています。


人事を担当するなかで、会社の変化を目の当たりにしてきました。私が入社した当時と比べて、社員数も売上も約7倍に成長し、組織の構成も大きく変わりました。
以前は男性比率が95%近くを占めていましたが、現在では男女比は6:4まで改善されています。

若い人も増え、東京・神奈川・埼玉といった都市圏からIターン・Uターンで府中に移住してきた社員も多く、みんなが全国の仕事に生き生きと取り組んでいる姿を見ると、大きなやりがいを感じます。

ある社員が「都落ち感がまったくない」と言ってくれたことが、とても印象に残っています。その方は東京の大手不動産会社から尾道への移住と共に当社へ転職し、地元の方と結婚して、産休からも復帰して活躍してくれている社員です。地方にいながらも、東京の一流企業を相手に仕事ができ、自分らしく働ける環境に誇りを感じていると話してくれました。

また、当社では海外との取引も日常的で、英語や中国語を使ってオーストラリア、アメリカ、ヨーロッパなどへの海外出張も頻繁にあります。私だけでなく、社員たちも翻訳ツールを活用しながら、各国との交渉ややりとりをスムーズにこなしており、場所にとらわれない働き方が自然に根付いているのを実感しています。

仕事で大切にしていること

私のモットーは「場所にこだわらずに生きる」ことです。看板やデジタルサイネージといった“伝える技術”を扱う会社でありながら、地元にはそれを目にする機会がほとんどないという情報格差のある地域で事業をしている。だからこそ、社員には「外の世界を知ることの大切さ」を常に伝えたいと思っています。

その一環として、社員旅行も“学びと視野を広げる機会”として位置づけています。本当はアメリカに行きたい気持ちもあったのですが(笑)、社員から「ぜひ万博に行きたい」という声が多くあがり、みんなの希望で大阪・関西万博への訪問を計画しました

どこにいても、どんな環境にあっても、世界に目を向けながら自分の仕事に向き合えるような文化を、これからも育てていきたいと思っています。


社員はもちろん、社長自身もプロダクト開発に積極的に取り組んでいます。

たとえば、シャープの透明ディスプレイを活用した製品開発では、「声が聞こえづらい」という課題に対し、リアルタイムで文字を表示させる仕組みを導入し、聴覚支援としてだけでなく外国人との円滑なコミュニケーションツールとしても応用できる形でパッケージ化しました。

また、ある技術について「もしかするとフェイクニュースかもしれない」と思いながらも、自らイタリアまで現地視察に赴き、実物を確認のうえ代理店契約を結んで日本市場に導入した経験もあります。

こうしたフットワークと決断力が、今の製品づくりや提案力の原動力になっています。

仕事の大変な面

ご覧の通り、かなりの田舎にあるので、採用はうまくいっているように見えて、実はとても大変です。ここまで人が集まるのは本当にすごいこと。でも、逆に言えばそれだけプレッシャーもあります。

人を集めるための努力、福利厚生の柔軟な整備、社員の声をしっかり聞いて制度に反映させる。それをずっとやってきたからこそ今がある。東京や群馬の田舎にあったら、もう少し楽だったかもしれないと感じることもあります。

でも、あえてこの場所でやることに意味がある。ここに会社があることで、誰かが「地元に戻ろう」「府中に住もう」と思ってくれるかもしれない。そういった地域貢献の気持ちでやっています。

今後の目標

私が入社した頃、売上は4億円ほどでした。それが今では22億円を超えています。急成長している中で、今後どうするのか——このまま拡大を目指すのか、安定を目指すのか。そして、次の世代にどうバトンを渡すのか。そういった「持続可能な組織」にしていくのが、今後10年で取り組むべき目標だと思っています。

今はまさに、いろいろな方からアドバイスをいただきながら、体制を整えていくフェーズに入っていると感じています。

目標へ向けての課題


急成長のなかで、人事や総務機能をどのように“組織として”整えていくかが、今の私たちにとって大きな課題だと感じています。
これまで人事・採用・社員教育などの仕組みづくりは、私が中心となって進めてきましたが、今後はこの領域をチームとして担っていける体制に育てていきたいと考えています。

現在は、信頼できる総務スタッフとともに二人三脚で業務を進めていますが、属人的になりがちな部分もあり、もう一歩、仕組みとしての強さが必要だと実感しています。

社員数の増加や働き方の多様化に対応していくには、採用・育成・定着のサイクルを継続的に回せる人事体制の構築が欠かせません。
次の10年に向けて、この分野をしっかりと強化し、持続可能な組織づくりにつなげていくことが、今の私の大きなテーマです。

入会のきっかけ

福山YEGへ入会したきっかけは、佐藤公泰くんに紹介してもらったことでした。

会社が成長するにつれて人数が増えていくことは良いのですが、自分の抱えている課題にしっくりくる場所があるといいなぁと探していたときに、「YEGがあるよ」と教えてもらいました。

YEGには様々な規模の会社があり、人との出会いからいろんなケースでのアドバイスや意見、気付きがあるのでは、と思い入会を決めました。

入会してよかったこと

やっぱり同世代の経営者と仲良くなれたことですね。同級生の高尾くん(タカオ株式会社)と再会できたのも嬉しかったです。

それから、大阪の「バーテック」という会社の見学に行けたのも良い経験でした。ああいった機会はYEGならではだと思います。

他にも、こだま食品さんのセミナーにも参加しました。外部講師が来てくれるようなセミナーに参加できるのは、本当にありがたいことだなと思います。

入会後の良き出会い

最近では、YEG府中高校の会が立ち上がって、母校である府中高校出身のメンバーが不定期で集まる会ができたんです。10人以上はいると思います。私もその輪に誘ってもらって関係が深まりました。

同じ高校出身というだけで、経営の立場も年齢も関係なく仲良くなれる。不思議なつながりですよね。YEGがなかったら、こうして話す機会なんてなかっただろうなと思います。

入会後の変化

入ってみて思うのは、「自己開放」って意外と大事だなということでした。

YEGの先輩の卒業旅行で道後温泉へご一緒したり、いろんな活動の中で、普段出せない自分を解放して過ごす時間があった。歌ったり踊ったりして、「今思えばよくやったな」って思うんですけど(笑)、あの時間があったからこそ、「こういうのもアリだな」と新しい自分を発見できた気がします。

記憶に残るYEG活動

記憶に残っているのは、卒業旅行とバーテックの視察です。

バーテックさんは、大阪城公園のすぐ近くのビルに入っていて、採用もすごくうまくいってる企業でした。うちとは全然違うなというのを実感しましたし、そういう企業の中で自分は人事として戦っているんだなと気づかされました。

そこで、「じゃあ、うちの強みって何だろう?」「どこが魅力なんだろう?」と、改めて考えるきっかけになったんです。

今、新入会員だったとしたら

もしもっと早く、10年前に入っていたら、もっと深く関わっていたと思います。もっと仲間もできたんじゃないかなって。

今は卒業が近くて、残された時間もそんなに長くない。でも、もし若い時に入っていたら、違ったYEGライフがあったかもしれません。

これから出会いたい人

これからは、女性経営者ともっと仲良くなりたいですね。YEGでは女性の参加者も増えてきていて、ぐいぐい前に出ている方が多い印象です。

私事ですが、子どもが来年には家を出る予定なので、夫婦ふたりの生活が始まります。だから来年からは、もう少しYEGの活動にも力を入れていけるんじゃないかなと思っています。

自己紹介

よく「竹を割ったような性格」と言われます。裏表がなく、はっきりと物を言うので、誤解されることもありますが、自分でもそういう性格だと自覚しています。良くも悪くも、そのままが出てしまうタイプですね。

個人

プライベートでは、上の子が大学生で、下の子も高校生。来年には下の子も家を出る予定なので、最近は「自分の時間をどう使おう?」と考えるようになりました。それで始めたのが、釣りとゴルフです。

釣りは趣味といえるほど詳しくはないですが、一通り道具も使えますし、楽しんでいます。ゴルフも少しずつ始めていて、YEGのゴルフグループにも誘ってもらいました。卒業旅行でもゴルフを楽しんできました。

それから、音楽ではズンバをやっています。ラテン音楽に合わせて動くエクササイズで、昔サルサを習っていた影響もあって、ラテンのリズムが好きなんです。ズンバは踊っていて気持ちいいですし、気分もリフレッシュできます。

お酒も好きで、ワイン、泡盛、芋焼酎など、なんでも楽しみます。最近は遠出がしんどくなってきたので、府中界隈で飲むことが多いですね。

取材を通しての感想

取材の場を通して、たくさんの方から会社の取り組みについて良い感想やご提案をいただき、本当にありがたかったです。「社員一人ひとりに目を向けた人事制度が素晴らしい」と言っていただけて、日々の取り組みが少しでも伝わったのかなと感じました。

もちろん、まだまだ完璧ではありませんが、「どうすれば社員が安心して働けるか」「どうすれば笑顔でいられるか」を、常に意識しています。
伝え方や接し方を日々工夫しながら、社員とよりよい関係性を築いていきたいと思っています。

今回のような取材の機会を通じていただいたご意見やご縁は、私たちにとって大切な学びです。これからの会社づくりにも、しっかりと活かしていきたいと感じています。

私にとって会社は「舞台」、そして社員はそこでさまざまな役割を演じる「役者」です。
一人ひとりが自分らしく舞える舞台を整えること──その環境づくりこそが、これからも私の注力していきたい役割です。

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