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平成21年度 福山商工会議所 事業報告 |
概 要 100年に1度とも言われる金融危機・世界同時不況の影響などもあり、円高、デフレ、雇用情勢の悪化など、厳しい経済環境下での1年が続き、年度終盤には弱含みながらゆるやかな回復基調も見えてきたが、総じて地域経済や中小企業にとって非常に厳しい年であった。 このため、緊急支援対策として行政等の関係機関と連携し、資金繰りや各種助成制度、新事業展開などの相談が1つの窓口で受けられるワン・ストップ・サービス・デイの開催や雇用の維持に向けた中小企業緊急雇用安定助成金制度説明会などを開催し対応してきた。 こうした中、福山商工会議所では創立80周年を迎え、幾多の荒波を乗り越えてきた先人の思いに心を新たにし、記念式典や各種記念事業を実施した。 また、年間を通じて当地域経済の基盤を支えている中小企業の活性化に向け個々の企業に対する金融・税制面での支援をはじめ、情報化の推進、国際化への対応、新規開業支援、中心市街地の活性化など、さまざまな事業を実施した。 意見活動では、日本商工会議所と連携し税制改革等について関係各方面へ強力に意見・要望活動を行った結果、オーナー課税の廃止、設備投資・研究開発の支援措置など多大な成果を得た。また、広島県に対し要望した福山港や松永港の港湾使用料の軽減措置の延長が実現し、地域経済を支える港湾の活性化を支援することができた。 中心市街地の活性化に向けては、伏見町地区市街地再開発事業、東桜町地区市街地再開発事業の支援をはじめ、商店街への人の回帰と地域文化の振興を目的とした「ふくふく」の運営を継続的に行なうとともにまちなか・えーこと市や七夕フェスタの開催を支援し、街の賑わいを創出した。 工業振興では、ビジネスマッチングを推進するため産業交流展in福山2009を開催するとともに、知的財産管理研究会の運営、特許等情報検索の指導や発明相談事業を行った。また、製造業企業の次世代幹部候補生を対象に技術経営理論(MOT理論)を学習する場を提供する、第3回びんご・ものづくり経営研究会も開催した。 中小企業の経営基盤の強化に向けて、中小企業支援センター事業を通じて税理士や中小企業診断士等の専門家派遣事業を推進し、さらにマル経融資制度や提携ローン制度、リーグ保証制度の利用促進を図り、各種制度融資についても斡旋・相談指導を行った。 会員企業向けサービス事業では、福の山共済に新たな独自給付を追加し手厚い制度に拡充した。また、ふれあい寄席、生活習慣病予防健診等の実施や、定例記者会見で会員企業の事業活動をPRするなど、幅広い広報活動の支援も行った。 さらに、広島大学、福山大学、福山市立女子短期大学、ポリテクカレッジ福山等との産学連携による各種事業やセミナー等を実施したところである。 このように、多くの会員の期待と信頼にこたえるべく、未来を見つめ、地域の発展を担う使命と役割を十分認識し、元気な福山の創造を目指して、幅広い分野において全力をあげ、積極的に事業活動を行った。 |
重点項目別状況 |
1.中小企業施策推進のための意見活動の展開 商工業の総合的な振興を図るため、国や県市等に対し積極的な提言や陳情要望を行うとともに、各種会議や懇談会を開催し、幅広い意見活動を展開した。
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2.活力ある都市基盤の整備 地方拠点都市・中核市にふさわしい活力ある地域経済社会の実現のため、高次都市機能の集積、地域産業の高度化等魅力ある都市圏の形成を推進するとともに、総合交通体系の整備や港湾機能の整備について、関係機関に対し積極的な働きかけを行った。
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3.地域産業の振興と小売商業の活性化 地域活性化の基盤である産業の振興については、中心市街地の活性化に向けた福山市中心市街地活性化推進事業と、商店街活性化に向けた「まちづくり研究会」事業を実施するとともに、新規開業・ベンチャー企業の支援、流通の近代化推進など、積極的な取り組みを行った。
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4.中小企業・小規模企業への緊急支援対策と経営基盤の強化 依然として厳しい経済状況が続く中、経済産業局等関係機関による協力のもと、資金繰り、下請取引、新事業展開、知的財産、雇用調整助成金などの相談が、1つの窓口で受けられる「ワン・ストップ・サービス・デイ」を開催し、中小企業の支援を行った。 また、雇用調整助成金制度を中小企業向けに拡充・創設した「中小企業緊急雇用安定助成金制度」について、説明会を開催するとともに、個別相談窓口を設置し、申請手続きの支援等を行った。 福山地域中小企業支援センター事業については、地域経済発展の基盤である中小企業の経営の安定と発展を支援するため、税理士や中小企業診断士等の専門家をコーディネーターとして委嘱し、中小企業者の諸課題をワンストップ型の相談体制で支援し、来所が難しい方を対象にした「移動相談会」及び「アドバイザー派遣」も積極的に展開した。また、創業を目指す人を対象とした「創業塾」や、経営環境の変化に取り組む若手経営者や幹部社員、次の経営を担う後継者等を対象に「経営革新塾」等を開催した。 さらに、県東部地域における広島大学の学術総合窓口を担うため、支援センター内に開設されている広島大学福山サテライトオフィスでは、広島大学の地域連携センター及び産学連携センターが、学術相談や技術指導等の窓口相談に対応するとともに、支援センターと連携して「ものづくりセミナー」や広大出前講座等の事業を展開した。 中小企業の情報化支援では、情報化に関するセミナーとして、「SaaS普及促進セミナー」や「ICTフォーラム」「J-SaaS普及研修会」「情報セキュリティセミナー マネジメントコース入門編・実践編」などを開催した。また、急速に拡大する電子商取引市場に本会議所の会員事業所が容易に参加する機会を確保するため、全国の商工会議所や公的団体が共同で運営する事業所データーベース・ザ・ビジネスモールに参加し、本会議所会員事業所が「商取引支援サービス」や「ビジネス支援サービス」を利用することでビジネスチャンスを拡大できるよう努めた。 さらに、国や地方自治体で進めている電子入札に対応できるよう電子証明書などを発行する電子認証局である日本商工会議所並びに(株)帝国データバンクの申請の取次ぎ業務を行い、PRなど啓発活動を推進した。 小規模事業対策については、小規模事業者の金融・税務・経営・労働等に対する巡回・窓口相談を行うとともに、移動経営相談会等を開催したほか、各種研修会・講演会・講習会を開催し、小規模事業者の経営資源の向上に努めた。 小規模事業者経営改善資金(マル経)融資は、推薦件数で63件(対前年比76.8%)、金額では2億9,080万円(対前年比74.4%)であった。また、市内に所在する9金融機関と提携し会員限定の優遇された条件で融資が受けられる融資制度「福山商工会議所会員向け提携ローン」や、広島県信用保証協会の「リーグ保証制度」及びその他制度融資等、平成21年度全体での金融斡旋の結果、貸付件数で81件、貸付総額では3億6,010万円となっており、中小企業者の事業資金調達に寄与した。 |
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5.調査・広報活動の充実
調査・広報活動については、「景気観測調査(DI方式)」、「商工会議所LOBO調査」などの定期調査、並びに「広島県内企業における雇用実態調査」を実施し、会員や地域に対して情報提供を行うとともに、本会議所事業にも反映させた。 会員に情報提供し活用していただくため、機関誌「商工ふくやま」を発行した。 また、ホームページやエフエムふくやま「ハロー!商工会議所」及び従来のファクシミリ方式に加え、メールマガジン方式の議員向け「FCCIライナー」及び会員向けメールマガジンにより、地域に根ざしたタイムリーな情報を発信した。 さらには、コミュニティFM放送局(株)エフエムふくやま・レディオBINGOの運営にも協力した。 |
6.国際経済交流の推進と中小企業の国際化支援 マウイ日本人商工会議所との交流については、福山市などと共同で高校生を中心とした親善訪問団を派遣し、マウイカウンティフェアの視察や現地高校生との交流を深めた。 当所木材・伝統産業部会を中心に、今後北東アジア向けビジネスやヨーロッパ向けの基点都市として期待される、ロシア沿海州の州都ウラジオストックの経済事情について視察し、現地情報の収集などを行った。 また、当所が支援する国際ビジネス研究会では、発展が目覚ましく中国に続くビジネス交流が期待される「ベトナム」を訪問し、現地経済事情やビジネスチャンスの発掘を行うとともに、中国・インド・タイ・ベトナムなどの投資環境や経済の現況について学ぶ勉強会を開催した。 さらに、輸出入時の関税の減免措置が図れる経済連携協定(EPA)に基づくメキシコ・マレーシア・タイ・チリ・アセアンなどに向けての特定原産地証明を発給(全国21商工会議所で発給)するとともに、説明会を開催しこれの普及・啓発に努めた。 |
7.雇用対策の充実 人口減少社会や高齢化が進む中、昨年より続く厳しい経済情勢を背景に、本会議所管内の雇用情勢は、有効求人倍率が0.6倍前後で横ばいに推移し厳しい状況が続いた。 こうした中、政府の成長力底上げ戦略の一環として、正社員経験が少なく、そのためキャリアの形成機会に恵まれない人を対象として「職業能力形成システム(ジョブ・カード制度)」の普及を目的に、地域ジョブ・カードサポートセンターを設置し、雇用のミスマッチを解消するとともに人材の定着化を図った。 また、当地域内に優れた人材を確保し、安定した雇用機会の確保を支援するため、福山地方雇用対策協議会等と連携し、新規学卒者やU・Iターン就職者のための「就職ガイダンス」や「U・Iターン就職・総合就職相談会」、「企業と学校の交流会」などを開催するとともに、U・Iターン人材情報収集提供事業の実施や、福山地方雇用対策協議会が新規学卒者を対象に毎年発行している福山地方企業ガイドブックのインターネット版を当所サイトにUPするなど、情報提供にも積極的に取り組んだ。 従業員教育としては、「新入社員セミナー」や「接客セミナー」「管理者研修」「若手・中堅営業社員強化研修」など、幅広いテーマで実施し、従業員資質向上の推進に努めた。 さらに、次代の社会を担う子供が健やかに生まれ、育成される環境の整備を進めるため、当所が次世代育成支援対策推進センターとして厚生労働省から指定を受けていることに伴い、次世代育成支援対策推進法に基づく一般事業主行動計画策定に向けて広報・啓発活動に努めた。 その他、広島県雇用・能力開発機構運営協議会、福山市男女共同参画センター、福山市勤労青少年ホームや広島県福山・府中圏域障害者就労支援ネットワーク会議などの運営にも参画した。 |
8.地域文化の進展 ふくやま芸術文化ホール(リーデンローズ)、ふくやま美術館、ふくやま書道美術館、広島県立歴史博物館、ふくやま文学館、福山明るいまちづくり協議会、福山地域文化振興協議会、(財)ひろしま文化振興財団などに参画した。また、福山文化連盟、福山ばら会、島田荘司選ばらのまち福山ミステリー文学新人賞実行委員会などの団体や事業を支援するとともに、全国小・中学生箏曲コンクール、音楽コンクール、各種書道展など地域の伝統文化・芸能、芸術活動にかかる多彩な行事を支援し、豊かな住みやすい文化都市づくりを促進した。 また、福山城映像ライトアップ事業に参画し、当所主管により「福山城フォトコンテスト」を開催した。 |
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