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平成20年度 福山商工会議所 事業報告 |
概 要 米国のサブプライムローン問題、原油や原材料の高騰など先行き不透明な中でスタートした我国経済であるが、夏場以降こうした経済情勢が実体経済にも暗い影を落とし、危機的な景気後退局面を迎えた。また、後半になると当所が行っている景気観測調査(DI方式)においても調査を開始して以来最悪のマイナス値を示すなど、100年に1度とも言われる金融危機・世界同時不況となり地域経済や中小企業にとっても未曾有の厳しい経営環境が続いた。 こうした中、福山商工会議所では緊急総合対策関連特別相談窓口を開設し、年末・年度末の資金需要に対応するとともに、制度融資説明会・雇用安定助成金説明会等を開催し中小企業の経営支援を行った。また、創造性豊かで活力ある地域経済社会の構築を目指し、当地域経済の基盤を支えている中小企業の活性化に向け個々の企業に対する金融・税制面での支援をはじめ、情報化の推進、国際化への対応、新技術・新商品の開発、新規開業支援、中心市街地の活性化など、さまざまな事業を実施した。 意見活動では、日本商工会議所と連携し税制改革等について関係各方面へ強力に意見・要望活動を行った結果、事業承継税制が具体化するなど多大な成果を得た。また、世界的な金融危機・経済危機下における中小企業の経営力向上・地域活性化などの要望を行った結果、その内容の多くが緊急総合経済対策、生活対策、経済危機対策に反映されることとなった。 中心市街地の活性化に向けては、伏見町地区市街地再開発事業、東桜町地区市街地再開発事業の支援をはじめ、商店街への人の回帰と地域文化の振興を目的とした「ふくふく」の運営を継続的に行なうとともに、改正まちづくり3法に基づく基本計画策定のための調査研究に取組んだ。 工業振興では、びんご産業市場を通じ福山が誇るオンリーワン・ナンバーワン企業を広く紹介するとともに、知的財産管理研究会の運営、特許等情報検索の指導や発明相談事業を行った。また、製造業企業の次世代幹部候補生を対象に技術経営理論(MOT理論)を学習する場を提供する、第2回びんご・ものづくり経営研究会も開催した。 中小企業の経営基盤の強化に向けて、税理士や中小企業診断士等の専門家派遣事業を推進し、マル経融資制度や提携ローン制度、リーグ保証制度の利用促進を図り、各種制度融資についても斡旋・相談指導を行った。 会員企業向けサービス事業では、生命共済制度をリニューアルするとともに、ふれあい寄席、生活習慣病予防健診等を実施し、定例記者会見で会員企業の事業活動をPRするなど、幅広い広報活動の支援も行った。 さらに、広島大学、福山大学、福山市立女子短期大学、ポリテクカレッジ福山等との産学連携による各種事業やセミナー等を実施したところである。 このように、多くの会員の期待と信頼にこたえるべく、未来を見つめ、地域の発展を担う使命と役割を十分認識し、元気な福山の創造を目指して、幅広い分野において全力をあげ、積極的に事業活動を行った。 |
重点項目別状況 |
1.中小企業施策推進のための意見活動の展開 商工業の総合的な振興を図るため、国や県市等に対し積極的な提言や陳情要望を行うとともに、各種会議や懇談会を開催し、幅広い意見活動を展開した。
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2.活力ある都市基盤の整備 地方拠点都市・中核市にふさわしい活力ある地域経済社会の実現のため、高次都市機能の集積、地域産業の高度化等魅力ある都市圏の形成を推進するとともに、総合交通体系の整備や港湾機能の整備について、関係機関に対し積極的な働きかけを行った。
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3.地域産業の振興と小売商業の活性化 地域活性化の基盤である産業の振興については、中心市街地の活性化に向けた福山市中心市街地活性化推進事業を実施するとともに、新規開業・ベンチャー企業の支援、流通の近代化推進、広域観光資源の発掘など、積極的な取り組みを行った。
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4.中小企業・小規模企業への緊急支援対策と経営基盤の強化 2度に亘る「緊急総合対策関連制度説明会」や「緊急雇用安定助成金等説明会」の開催に加え、会員事業所の事業資金調達をサポートするため、中小・小規模企業の資金繰り対策として創設された緊急保証制度の特別相談窓口を開設し相談に応じるとともに、年末・年度末の休日にも窓口業務を行い、中小企業の資金需要に対応した。 福山地域中小企業支援センター事業については、地域経済発展の基盤である中小企業の経営の安定と発展を支援するため、税理士や中小企業診断士等の専門家をコーディネーターとして委嘱し、中小企業者の諸課題をワンストップ型の相談体制で支援し、来所が難しい方を対象にした「移動相談会」及び「アドバイザー派遣」も積極的に展開した。また、創業を目指す人を対象とした「創業塾」や、経営環境の変化に取り組む若手経営者や幹部社員、次の経営を担う後継者等を対象に「経営革新塾」等を開催した。 さらに、県東部地域における広島大学の学術総合窓口を担うため、支援センター内に開設されている広島大学 福山サテライトオフィスでは、広島大学の地域連携センター及び産学連携センターが、学術相談や技術指導等の窓口相談に対応するとともに、支援センターと連携して「ものづくりセミナー」や広大出前講座等の事業を展開した。 中小企業の情報化支援では、情報化に関するセミナーとして、「ICTベンチャー知的財産戦略セミナー」や「経営者研修講座」「IT経営気づき研修会 入門編」、「情報セキュリティセミナー 技術コース標準編・専門編」などを開催した。また、急速に拡大する電子商取引市場に本会議所の会員事業所が容易に参加する機会を確保するため、全国の商工会議所や公的団体が共同で運営する事業所データーベース・ザ・ビジネスモールに参加し、本会議所会員事業所のビジネスチャンス拡大に努めた。 さらに、国や地方自治体で進めている電子入札に対応できるよう電子証明書などを発行する電子認証局である日本商工会議所並びに(株)帝国データバンクの申請の取次ぎ業務を行い、PRなど啓発活動を推進した。 小規模事業対策については、小規模事業者の金融・税務・経営・労働等に対する巡回・窓口相談を行うとともに、移動経営相談会等を開催したほか、各種研修会・講演会・講習会を開催し、小規模事業者の経営資源の向上に努めた。 小規模事業者経営改善資金(マル経)融資は、推薦件数で82件(対前年比106.5%)、金額では3億9,080万円(対前年比137.4%)と、前年水準を上回った。また、市内に所在する9金融機関と提携し会員限定の優遇された条件で融資が受けられる融資制度「福山商工会議所会員向け提携ローン」や、広島県信用保証協会の「リーグ保証制度」及びその他制度融資等、平成20年度全体での金融斡旋の結果、貸付件数で132件、貸付総額では7億4,460万円となっており、中小企業者の事業資金調達に寄与した。 |
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5.調査・広報活動の充実
調査・広報活動については、「景気観測調査(DI方式)」、「商工会議所LOBO調査」などの定期調査、並びに「流動客調査」、「駐車場利用状況調査」を実施し、会員や地域に対して情報提供を行うとともに、本会議所事業にも反映させた。 会員に情報提供し活用していただくため、機関誌「商工ふくやま」を発行した。 また、ホームページやエフエムふくやま「ハロー!商工会議所」及び従来のファクシミリ方式に加え、メールマガジン方式の議員向け「FCCIライナー」及び会員向けメールマガジンにより、地域に根ざしたタイムリーな情報を発信するとともに、福山の統計資料「FUKUYAMA NOW(福山のすがた)平成21年版」を作成した。 さらには、コミュニティFM放送局(株)エフエムふくやま・レディオBINGOの運営にも協力した。 |
6.国際経済交流の推進と中小企業の国際化支援 長年にわたる当所とハワイ州マウイ日本人商工会議所との友好交流が実を結び、5月17日福山市とマウイ郡の友好親善都市提携の調印が行われた。 また、当所が支援する国際ビジネス研究会では、中国北京の対外経済貿易大学の協力により「北京セミナー」を実施した。 さらに、輸出入時の関税の減免措置が図れる経済連携協定(EPA)に基づくメキシコ・マレーシア・タイ・チリ向けの特定原産地証明を発給(全国21商工会議所で発給)するとともに、これの普及・啓発を推進した。 |
7.雇用対策の充実 本会議所管内の雇用情勢は、人口減少社会や団塊世代の退職が進む中、本年度も引き続き有効求人倍率が1.0倍を超えて推移していたが、秋口以降、下降をたどり、年明けには1.0倍を下回る厳しい状況となってきた。 こうした中、政府の成長力底上げ戦略の一環として、正社員経験が少なく、そのためキャリアの形成機会に恵まれない人を対象として「職業能力形成システム(ジョブ・カード制度)」の普及を目的に、地域ジョブ・カードサポートセンターを開設し、企業開拓を中心に事業に取り組んだ。 一方では豊富な技能や技術を有する高年齢者の方々が、意欲と能力があれば、65歳を超えても働ける社会の実現に向けて「70歳まで働ける企業」の啓発・普及・促進を目的とした取組を総合的に実施した。 また、当地域内に優れた人材を確保し、安定した雇用機会の確保を支援するため、企業等OB人材の活用や福山地方雇用対策協議会等と連携し、新規学卒者やU・Iターン就職者のための「就職ガイダンス」や「U・Iターン就職・総合就職相談会」、「企業と学校の交流会」などを開催するとともに、U・Iターン人材情報収集提供事業の実施や、福山地方雇用対策協議会が新規学卒者を対象に毎年発行している福山地方企業ガイドブックのインターネット版を当所サイトにUPするなど、情報提供にも積極的に取り組んだ。 従業員教育としては、「新入社員セミナー」や「接客セミナー」「管理者研修」「若手・中堅営業社員強化研修」など、幅広いテーマで実施し、従業員資質向上の推進に努めた。 さらに、次代の社会を担う子供が健やかに生まれ、育成される環境の整備を進めるため、当所が次世代育成支援対策推進センターとして厚生労働省から指定を受けていることに伴い、次世代育成支援対策推進法に基づく一般事業主行動計画策定に向けて広報・啓発活動に努めた。 その他、広島県雇用・能力開発機構運営協議会、福山市男女共同参画センター、福山市勤労青少年ホームや広島県福山・府中圏域障害者就労支援ネットワーク会議などの運営にも参画した。 |
8.地域文化の進展 ふくやま芸術文化ホール(リーデンローズ)、ふくやま美術館、ふくやま書道美術館、広島県立歴史博物館、ふくやま文学館、福山明るいまちづくり協議会、福山地域文化振興協議会、(財)ひろしま文化振興財団などに参画した。また、福山文化連盟、福山ばら会、島田荘司選ばらのまち福山ミステリー文学新人賞実行委員会などの団体や事業を支援するとともに、全国小・中学生箏曲コンクール、音楽コンクール、各種書道展など地域の伝統文化・芸能、芸術活動にかかる多彩な行事を支援し、豊かな住みやすい文化都市づくりを促進した。 |
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